ハーフオレンジレインボー
(Melanotaenia boesemani)
地球最後の秘境と呼ばれるニューギニア諸島。
その西部に位置するフォーゲルコップ半島のいくつかの湖だけに
生息するという、まさに神秘の魚です。
全長10cm前後、体の前半分がホログラムのような青と銀に輝き、
後半分がオレンジ色に染まるという、他に例を見ない配色が非常に魅力的。
普通、自然界の生き物の体色といえば、まわりの風景に溶け込むための
カムフラージュであったり、婚姻色であったり、他種を威嚇する為の物であったり
するものですが、はたしてこの魚の体色が現地の湖において
どのような役割を主に果たしているのか、興味は尽きません。
飼育下での本種の最大の魅力は、やはりフィンスプレッティングに尽きます。
フィンスプレッティングとは、オス同士が互いを威嚇する為に
ヒレを大きく広げて競い合う行為なのですが、レインボーフィッシュの場合は
遊泳速度が速く、また背びれが2基に分かれているため
非常に見ごたえがあります。
ハーフオレンジレインボーは10cm前後の大きさがあるので
迫力も十分にあります。
飼育は一般的な熱帯魚と同様で容易な部類です。
性格も比較的温和なので、同サイズの魚なら混泳も可能です。
できれば90cm以上の水槽が好ましいと思います。
ただし、遊泳速度が非常に速いため、エサを与えると
一気に食べつくしてしまいます。
エンゼルフィッシュや小型グーラミィのようなスピードの遅い魚
コリドラスのような低層魚と一緒に飼う場合は、ちゃんと全体に
エサが行き届いているか確認する必要があります。
個人的には最も好きな熱帯魚です。
水草との相性もよく、特に大型のエキノドルス類の中を
群れで泳ぐ姿は、いつまで見ていても飽きません。
ショップで販売されているものは、すべてヨーロッパで養殖され
輸入されている物だそうです。
できるだけオレンジの濃い固体を選び、じっくりと育て上げれば
どんな熱帯魚にも負けない美しい姿を見せてくれるハズです!